十勝農業ストーリー

食糧の備蓄と、種の保存。次世代に繋ぐ農業の形

松橋農場/松橋泰尋さん

更別村で90年以上続く松橋農場。4代目の松橋泰尋さんは、コロナ禍を機に農業の在り方を見つめ直し、持続可能な未来へ舵を切りました。畜産と農業の枠を超え、食の豊かさを守る道を歩む松橋さん。その挑戦は、十勝の大地に深く根を張っています。



持続可能な未来を描く、農業の新たな形

更別村で90年以上にわたり畜産を営む松橋農場。牛の繁殖から肥育、販売まで一貫して手がけるほか、小麦や大豆などの栽培にも取り組んでいます。4代目の松橋泰尋さんは、コロナ禍を機に生産者としての在り方を見つめ直し、収量や収入を重視する農業から、持続可能で自給的な農業へと舵を切りました。

「十勝の大規模農業には、人々の食を支える力がある。次世代を担う子どもたちが食べ物に困ることのないよう、今から備えたい」。そんな思いで「備蓄」をテーマにしたプロジェクトを展開しています。

もう一つ、松橋さんが力を入れているのが「種の保存」。日本最古の和牛の純血種「竹の谷蔓牛」の遺伝子を未来へつなぐため、繁殖肥育にも取り組んでいます。全国にわずか約25頭しかいないこの牛の肉は、「赤身の旨みが際立つ」と松橋さん。長く受け継がれてきた命の系譜を守りながら、希少でおいしい牛肉を届けようとしています。

また、農場の一角に仲間と楽しむためのBBQテラスを設けたり、十勝の生産者と消費者をつなげる場として飲食店「農家バル FOOD BABY」を営んだりと、多方面で活動。持ち前の明るさと、シンプルで揺るぎない信念を胸に、未来へと歩み続けています。

松橋農場
河西郡更別村字上更別南10線90-2
TEL:0155-29-6298
  • 1 松橋農場を代表するブランド牛「松橋牛」。できるだけサシを入れず、牛本来の赤身の旨さを追求した黒毛和牛です。
    2 農場内には、眼前に畑が広がる眺望抜群のウッドデッキも。
    3 帯広市内にある農家バルFOODBABYでは、松橋牛のロースステーキなどが味わえます。
    4 農家バルFOODBABYでは、100軒を越える地元生産者の食材がメニューに使われています。チーズの盛り合わせなどお酒にぴったりな一品も。

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