家族で営むオーガニック
畑から食卓への流れを見据えて
小笠原農園/小笠原保さん
100年の歴史を持つ幕別町の農家、小笠原農園。3代目・小笠原保さんは、家族で受け継いできた慣行農業から一転、オーガニック農業へと踏み出しました。「おいしくて健康的な野菜」を追求する中でたどり着いたその選択は、試行錯誤を重ねた末に実を結び、人々の食卓に豊かな物語を届けています。
大地の声を聞き、オーガニックの道へ
小笠原農園は、幕別町で100年以上続く農家。家族代々慣行農業を営んでいましたが、3代目の小笠原保さんの代からオーガニックへ転換しました。
保さんにとってオーガニックへの転換は、自らが目指す生き方を叶える手段の一つ。転換した経緯についても、「〝おいしくて健康的な野菜〟を考えたら、自然とオーガニックに行き着いた」と話します。
転換後、思うように収量が採れなかったり、薬に頼らない分虫がついてしまったりと苦労も少なくありませんでした。しかし、「作物にとって足りないものの補助をすること」を意識しながら試行錯誤を続け、3~4年かけてイメージどおりの土づくりを実現させました。
もう一つ、農業を営む上で保さんが軸としてきたのが、「作って終わりではなく、食べた人に健康になってもらうこと」。同じ思いを持つ家族と共に直営のカフェ灯里もスタートさせました。
農園で育てたオーガニック野菜をたっぷり使ったメニューはどれも、素材の味を大切にした優しい味付け。野菜の瑞々しさや甘さ、力強さが感じられます。
おいしさはもちろん、畑とつながる食卓のストーリーに触れる時間を過ごすことができるのも、ここを訪れる醍醐味の一つ。淡く可憐な色のジャガイモの花、黄金色に輝く小麦畑。季節によって移り替わる畑の風景も、心を優しく緩めてくれるでしょう。
- 小笠原農園
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幕別町字南勢181
TEL:090-5982-5257
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1 小笠原保さん。2012年よりオーガニックに転換しました。ジャガイモの花が満開を迎えた時期に。
2 夏野菜の時期には、カフェ灯里の前に小さな直売所もオープン。
3 灯里で提供しているランチメニュー。ランチは完全予約制で一種類のみの提供です。季節のおばんざい、メイン料理、おむすびのほか、飲み物とミニデザート付き。
4 大豆や小麦、ジャガイモのほかレタスやトウモロコシ、リーキなど合計30品目種類以上の農作物をオーガニックで育てています。