十勝農業ストーリー

100年以上受け継いできた畑を、西洋野菜で新たな未来へ繋ぐ
リーキマンの挑戦

竹中農場/竹中章さん

「リーキマン」と親しまれる竹中章さんは、日本では珍しい西洋野菜・リーキを生産しています。100年以上の歴史を持つ竹中農場の5代目として、受け継いだ土地と伝統に新たな命を吹き込む日々。新しい挑戦を続けるその姿は、次世代に向けた農業の可能性を広げています。



音更の大地に息づくリーキへの情熱

竹中農場の竹中章さんの愛称は「リーキマン」。日本ではほとんど生産されていない西洋野菜であるリーキを、十勝の音更町から全国各地へ届けています。

竹中農場は、1915年、章さんの高祖母と曽祖父が帯広市川西地区に入植したことから始まりました。その後1939年に一家で音更町へ移住。祖父、父と畑を受け継ぎ、章さんで5代目を数えます。

章さんがリーキの栽培に乗り出したのは、今から15年ほど前。知り合いのシェフから頼まれたことをきっかけに手応えを感じ、その世界にのめり込んでいくことになります。見た目は長ねぎに似ていても、栽培方法や病気の種類などは全く異なるリーキ。本場フランスやオーストラリアなどの産地を訪ね、50種類以上を試験栽培した末に現在の種に辿り着きました。

今でこそ「リーキと言えば竹中さん」と、十勝管内では有名な存在ですが、「新しい野菜を作るというのは簡単なことではありません。熱意がないとできないですよ」と、章さん。種や収穫機の選定だけでなく、土の栄養バランスや病気への理解、そして販路拡大のための営業やシェフや消費者への説明まで、すべてを根気強く継続してきたからこその今があります。

100年以上の歴史を受け継ぎながら、新たな挑戦を続ける章さん。代々続く豊かな土地と先祖たち、そして何より自分自身に恥じない仕事をするために、今日も覚悟を持って畑に立ち続けています。

竹中農場
河東郡音更町字西中音更北14-15
TEL:0155-45-2014
https://www.leekman.com/
  • 1 竹中章さん。
    2 エシャロット、根セロリなども出荷。主に本州のフレンチレストランへと届けられています。
    3 竹中農場のリーキ。2024年に開催された「鍋野菜選手権」では、下仁田ネギを抑えての金賞を受賞。
    4 春はアスパラ、夏から秋はパクチーのシーズン。8月の作業場には独特の香りが満ちていました。

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