十勝農業ストーリー

家族の力が結集して生まれる新しい酪農の形

リバティヒル廣瀬牧場/廣瀬文彦さん、真由美さん

牧場の牛乳でジェラートを作り、酪農教育ファームを行う。 自由に広がっていくカタチの中心には、餌からこだわって健康な牛を育てるという姿勢と、家族それぞれの協力がありました。



ジェラートで再認識、
「うちの牛乳ってすごい!」

帯広市にある広瀬牧場の敷地内には、ジェラートを提供するお店、「ウエモンズハート」があります。自社牧場の新鮮な牛乳で毎日ジェラート作りを行うのは、代表広瀬文彦さんの奥様である真由美さん。130以上あるレシピの中から、旬の素材を使った14種類がお店に並びます。

「ジェラートに加える果物や野菜は出来る限り自家製のもの、十勝産のもの、生産者の顔の見えるものを使っています。1番の武器は何と言っても牧場の牛乳ですが」と真由美さんはにっこり。

ウエモンズハートのオープンに当たって、兵庫県、東京都などのお店に勉強に行った真由美さん。広瀬牧場の牛乳で初めてジェラートを作ったのも東京の研修先でのことでした。それまでは研修元の牛乳で試作を重ねていましたが、レシピのベースが大体出来上がったところで、文彦さんに牧場の牛乳を送ってもらい、実際に作ってみたのです。

「これがもう、びっくりするくらい味が違って。本当に鳥肌がたちました」。その場にいた研究員の方々も、「エッ」と驚いた表情になり、「これだけ美味しくて、味の差別化が出来るなら、十分に商品として成り立つ」と太鼓判を押してくれたそうです。「あのときの美味しさは今でも忘れられません。うちってすごい牛乳を作っているんだ!と、改めて主人の努力に感服しました」。

真由美さんが絶賛する広瀬牧場の牛乳は、牛を健康に育てるということを基本にしています。

「美味しい牛乳は、健康な牛から出るものですからね。そのためには餌が大切。うちでは牛が食べる牧草やデントコーンを敷地内の畑で作っているのですが、土作りの部分から工夫しています」と文彦さん。

現在牧場の仕事を一緒に行っている長男貴章さんと共に、土の成分をしっかり計った上で、堆肥やカルシウムや必要最低限の化学肥料などを土壌にバランスよく投入する、というやり方を行っています。平成23年からは、カルシウム分としてほたての貝殻を砕いたものを混ぜることも始めました。

また、牛舎では、牛を繋がずに自由な状態で飼うフリーストール方式を採用しています。ストレスの少ない環境にしてあげることで、やはり、美味しい牛乳に繋がるという考え方です。「ウエモンズハートに牧場というバックグラウンドがあるからやれていること。根っこである牧場の仕事をこれからも大切にしていきたい」。

  • 1 牛舎。
    2 ウエモンズハートのブルーベリーとかぼちゃのジェラート。ブルーベリーもかぼちゃも敷地内で取れたもの。牛乳のさわやかな甘みが口いっぱいに広がります!
    3 ウエモンズハートの外観。もともとは廣瀬さん一家のご自宅で、改装して店舗にしたのだとか。「息子3人を育てた思い出の場所でもあります」と由美子さん。
    4 廣瀬牧場代表廣瀬文彦さんと奥様の真由美さん。
    一緒に牧場を発展させてきた絆の深さが、互いを思いやる言葉から感じられます。

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