家族の力が結集して生まれる新しい酪農の形
リバティヒル廣瀬牧場/廣瀬文彦さん、真由美さん
牧場の仕事に信念と誇りを持っている文彦さんですが、実はもうひとつ、自身のライフワークとして力を注いでいる事柄があります。それは、平成3年から行っている酪農教育ファームという活動です。搾乳体験や自身の講義を通して、命や食の大切さ、酪農への理解を深めてもらおうという内容で、学校の授業の一環として使われることも多く、年間平均100組、約3000人が訪れています。始めたきっかけは、東京の小学生からかかってきた1本の電話でした。
「コーヒー牛乳って、牛にコーヒーを飲ませたら出るんですか?」。あまりに予想外の質問だったため文彦さんはとても驚き、小学生に向かって丁寧に説明をしたそうです。この体験がきっかけとなり、酪農家自らが生産現場のことをもっと伝えていくべきではないか、と考えるようになりました。
「農作業が一番忙しい時期に教育ファームが重なり、これで本当に百姓と言えるのか、と葛藤したこともあります。でも、子どもたちの変化や反響の大きさを見ていると、本当のことを知りたいのにその場所や手段がなかっただけ、と思えるんです。うちはそういう場所でありたい。身体が動かなくなっても口が動く限りは酪農を伝えていきたい。私の夢です」。
文彦さんが酪農教育ファームを始めるとき、真由美さんは協力を惜しまなかったと言います。「家族の理解のおかげで教育ファームはここまで発展しました」と文彦さんは言い切ります。
ウエモンズハートもまた、文彦さんの搾る牛乳と真由美さんのジェラート作りの腕前が結合して、今の形が出来上がりました。
広瀬牧場の土台は家族が互いを思いやる気持ち。そこをスタート地点に、家族それぞれが力に磨きをかけ、高め、共有し合い、独自の酪農の形を作り上げて来たのです。
- リバティヒル廣瀬牧場
- 帯広市西23条南6丁目13番地
TEL.0155-33-6064
http://www.uemons.com
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5 牛に食べさせる乾牧草。牧草を刈った後天日に3日間干し、保管しやすく丸めたもの。水分は10%以下になっており、牛に必要な繊維質がたっぷり。
6 収穫した牧草をビニールシートの下で乳酸発酵させるところ。サイレージと呼ばれる牧草を作ります。広瀬牧場では乾牧草とサイレージの2種類を食べさせています。
7 フリーストール式の牛舎でのんびりとくつろぐ牛たち。
8 酪農教室の会場となる農場の2階には、講義用のポスターがズラリ。
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