十勝農業ストーリー

十勝の気候と健康な土が育んだ 甘酸っぱいベリー
金田ベリー園のジャム

金田ベリー園/金田周一さん

当然、土にやる肥料も工夫してきました。米糠、大豆カス、菜種カス、骨粉などにEM菌を混ぜ、発酵させて作るボカシ肥料。金田さんはこの肥料を機械を使わず、ハウスで自分の手で作り続けてきました。「3日おきくらいに混ぜながら発酵させていくと、だんだんサラサラになって畑に入れても固まらなくなる」。ボカシ肥料を土に入れると悪い菌を殺してくれ、土を耕すミミズも増えてきて、それは健康的な土ができるというのです。ベリーの畑に軽トラ用の通路が設けてあるのは、ボカシ肥料を入れるためとのことです。

「栽培時に化学肥料や農薬を使うと、甘みに苦みが加わってしまう。有機肥料だと甘みがついて、化学肥料だと苦みが付く」。有機肥料を土に入れ、低農薬で栽培することで、甘くて美味しいベリーができるのだと金田さんは話してくれました。金田さんがベリー栽培を始めてもうすぐ30年になろうとしています。枝を切っては挿し木をしながら増やし続け、今では畑の面積も4ヘクタールにまで広がりました。ハスカップを約3ヘクタール、残りの土地にはカシスの赤と白、そして黒、さらにはグスベリー、アロニア、コクワなどを植えています。

夏を迎えると、金田さんのベリー園では収穫が始まります。収穫する女性たちの背丈に合わせて剪定されたベリーの木には、赤や黒に色づいたたくさんのベリーがたわわに実り、摘み取られるのを待つばかりに。毎年迎える、ベリー園の収穫の季節です。

金田ベリー園
上川郡新得町字屈足西1線58
TEL. 0156-65-3000
http://www.kaneda-berry.com
  • 5 夏に収穫したベリーは加工場でジャムに加工、残りは冷凍保存しています。写真はハスカップ。
    6 春になると白い花を咲かせるハスカップ。
    7 ハスカップの収穫は6月末から7月にかけて。7月も下旬になると今度はカシス、そして8月になるとグスベリーが最盛期を迎えます。写真はハスカップの苗木。
    8 金田ベリー園の敷地内にある加工場。蒸気ボイラーで加熱する釜では、一度に50キロのベリーを煮詰めることが出来ます。蒸気ボイラーの熱はガスの熱に比べ、やわらかくてまろやかなため、焦げにくい特徴があるのだそうです。

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