十勝農業ストーリー

一切加熱をしていない 「生乳」を飲むことができるところ

有限会社 想いやりファーム/長谷川竹彦さん

長谷川さんには酪農家という意識が全くないと言います。「牛たちと一緒に暮らしているという感じですね」。人の都合で牛から乳を搾るのではなく、想いやりファームのスタッフは牛の立場からの目線を大切にし、なるべく牛にストレスがかからないような環境を作っています。なので牛を追い立てたりもしませんし、牛一頭ごとに搾乳の時間も違います。「生き物なんだから違うのが当たり前。1頭1頭に個性があって感性がある。それを一つの方法でやってしまうことは不自然じゃないですか」。

想いやりファームでは無農薬・無施肥で牧草地を作り牛を放牧し、餌は草だけしか与えていません。「乳牛は赤ちゃんにあげる10数倍の乳が出るよう改良されてきました。今生きている乳牛は草では全く栄養が足りず、穀類でかろうじて生きています。想いやりファームでは、長い年数をかけて牛たちを本来の姿に戻す努力を続けており、その結果として今では草だけで暮らせるようになりました」。

長谷川さんは競争が進む今の時代にあって、あえてリスクを取り、時間をかけて自分の理想をストイックに追い求め続けています。現代の経済効率を優先する考え方の下、誰も好んでやろうとはしないことをやる。その根底にあるのは、自然の中では人間も牛も同じ動物でありお互いの存在があって初めて生活をすることができるのだ、という哲学のようなもの。そんなことを長谷川さんの生き方から感じるのです。

有限会社 想いやりファーム
中札内村西戸蔦東2線163-10
TEL.0155-68-3137
http://www.omoiyari.com/
  • 6 想いやりファームのスタッフの多くは女性。牧場内にはカフェスペースがあり、生乳を飲んだりソフトクリームを食べることができます。

1

2

ページトップ