十勝農業ストーリー

風味豊かなバリエーション とやま農場の豆

とやま農場/外山隆祥さん

自分たちで出来ることから少しずつ。

倉庫の壁に描かれたカラフルな色合いのロゴが目印のとやま農場。日高山脈の連なりがすぐ目の前に感じられ、整然と続く平らな畑が美しい帯広市美栄町。大正40年に新潟県から入植し、間もなく100年を迎えようとしている4代続く畑作農家です。

馬と共に土地を耕し、自分たちの食べるものから作っていた時代に始まり、今では自分たちの手で加工、販売を行う自立した農家へと変化を続けてきました。豆に加えて、小麦、ビート、馬鈴しょなど十勝ならではの農作物を作っている外山さんですが、最初に販売した加工品は「黒豆」。平成19年のことでした。豆を圧縮加熱した「どん菓子」です。同時期にホームページも立ち上げ、油として加工される菜種も栽培するなど、大きな転機となった年でもあります。
今ではその菜種から採れた油「油になったね!」や、はちみつなど、その商品の種類は少しずつ広がりを見せています。

日本では古くからおせち料理に煮豆として登場する黒豆ですが、加熱加工した「ポリポリ黒豆」をそのまま食べると、その確かな歯ごたえと独特のコク、ほのかな苦みがクセになり、ついつい次々に手が伸びてしまいます。ご飯と一緒に炊いたり、お湯を注いで黒豆茶として飲んだりと、まさに万能の豆。

外山さんが加工品の販売を始めたのは、作る側と食べる側の心の歩み寄りが必要との思いからでした。農場のコンセプトにもなっている「一緒に考えてみませんか、生命や食べ物のことを」という言葉にも表れている通り、家族の情報を綴った「フェイム新聞」の発行や、修学旅行生の受け入れ、子どもたちの農業体験受け入れなど、消費者との繋がりを持つための活動は多岐に渡ります。

  • 1 豆のほかにも、菜種を使った油やはちみつも加工品として販売しています。
    2,3 とかち小麦シリアル
    牛乳や豆乳をそそぎシリアルとして。チョコレートをかければお手製麦チョコにも。砂糖不使用なので、甘さが欲しい方ははちみつをかけても良し。
    4 4代目として修業中の外山隆祥(たかよし)さん(左)と祖父の徳男さん。徳男さんは今でもたまに畑に出て農作業に精を出しています。
    5 隆祥さんの母、外山聖子さん。

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