十勝農業ストーリー

余さず利用し、最後まで見届ける

石田めん羊牧場/石田直久さん、美希さん

何もない所からの出発

大学では羊の繁殖について研究していた直久さん。「好きなことを思い切りやりたいと思って」平成13年に2ヘクタールの牧草地と20頭足らずの羊から牧場経営をスタート。ラム肉ブームという追い風を受けて飼育頭数、出荷数は年々増加。一見順調そうに思えるスタートですが、その裏には想像を超えた紆余曲折がありました。

牧場スタート当時に借りた家は当初、電気もガスも水道も通っておらず、真冬にはあまりの寒さに風呂はもちろん、洗濯機までもが凍りつく有様。牧場はと言えば徐々に頭数は増えたものの土地の広さは変わらないわけで、満足に放牧もできず流産、難産が激増。「夫婦喧嘩なんてしていられないくらい大変だった」と当時を振り返る二人。しかし、困難を共に乗り越えることで、夫婦として互いへの信頼は深まっていきます。

また、外部から来た移住者である二人が羊飼いという特殊な仕事を始めたため、地元の人たちからの理解を得るのに苦労したと言います。「美味しいラム肉を作りたい」。
その一心で奮闘する石田さん夫妻の姿。初めのうちは遠巻きにしていた地元の人たちですが、少しずつ2人に手を差し伸べてくれるようになっていきます。「後から聞くと、みんな僕たちのことをよく見てくれていたんだなって」。直久さんは当時を振り返って嬉しそうに目を細めます。諦めずに夢を追いかけ、本音で、本気でぶつかってきたからこその今の生活です。

  • 5 ナイフやノコギリを使って、丁寧に骨から肉を外していきます。かなりの重労働。
    6 メインで飼育されているのは肉羊種のサウスダウン。黒い顔が特徴的なサフォークは、食い意地が張っていて身体も大きいから他の羊に意地悪するのだと話してくれました。

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